7.62mm小銃M1ガーランドの後継として1964年に正式採用された戦後初となる国産開発の小銃です。研究開発は豊和工業により1960年頃から、日本人の体格にもあった小型で軽量の小銃をということでスタートしています。
64式7.62mm小銃の配備に合わせて、本小銃用の銃剣、照準眼鏡、演習用の空砲射撃補助具なども開発されています。他にも小銃の先端に取り付けて発射するM31対戦車小銃擲弾(てきだん)も使用でき、新開発された06式小銃擲弾も64式7.62mm小銃から撃つことができます。
派生型として64式7.62mm狙撃銃があり、新規開発ではなく64式7.62mm小銃に照準眼鏡(狙撃スコープ)と頬当て(チークパッド)銃床を装着した狙撃銃になっています。
64式7.62mm小銃の構造
64式7.62mm小銃の構造として、金属の削り出しで作られた機関部、鍛造製法による銃身、木製の銃床とグリップなどから構成されています。
銃身は肉厚で軽機関銃並の37000発という耐寿命があり、ガス圧利用による作動で1分間に約500発の連射性能がになっています。 標準装備の二脚とあわせて単発、連射共に集弾性が高く命中精度も良好です。
これらの射撃精度と耐久性などから部品点数が150点と構造が複雑になってしまいました。また軽量化によりパーツ同士の接続が弱く、演習時などに部品の脱落が起きやすく、パーツ落下防止のビニールテープは必須の様です。
弾薬には7.62mm×51mmNATO弾が使用されますが、連射時の反動軽減と命中精度などの観点から、通常は装薬を減らした減装弾が使用されています。
これまでに23万丁以上が生産され、陸上自衛隊だけではなく航空・海上自衛隊、海上保安庁にも配備され、現在でも一部の教育部隊などでは使用されていますが、89式5.56mm小銃に更新が進められています。