陸上自衛隊だけではなく地方協力本部(地本)の事務所などにも配備されている小型汎用車両です。
3t半トラック(31/2tトラック)や高機動車と同じく非装甲のトラックです。
1996年から新型の73式小型トラックとして、三菱自動車製のパジェロが導入されています。
2001年には、73式小型トラックから「1/2tトラック」という名称に改められました。
1/2tトラックは、指揮官輸送や駐屯地・演習場間の移動だけではなく、災害発生時には市区町村の役所や対策本部へのLO(連絡調整要員)の派遣等にも使われます。
迫撃砲小隊での81mm迫撃砲L16の搭載、対戦車小隊の79式対舟艇対戦車誘導弾等をトレーラーに載せて運搬などもします。
他にも、12式地対艦誘導弾の捜索評定レーダ装置など、1/2tトラックを流用した装備も開発されています。
また、幌を外して銃架を設置すれば重機関銃を搭載も可能です。
新型:パジェロタイプ
これまで使用されていたジープタイプの旧式化により、三菱自動車のパジェロをベースとした車両が導入されました。
パジェロといっても市販車とは見た目がだいぶ異なっていますが、エンジンやフレーム等の基本構造は同じです。
この基本骨格に、自衛隊仕様にデザインされたOD色(オリーブドラブ)のボディを搭載。
市販車(ショートパジェロ)では定員が4名ですが、内装を簡素化することで6名まで乗車可能です。
荷台部分に折りたたみ式の座席が設けられていたり、無線機ラックが備わるなど自衛隊車には様々な工夫が施されています。
他にも、運転席・助手席のドアは肉抜きされ、そこに小銃を固定できるラックを設置。
パワーウィンドウが無いかわりに、窓は横にスライドする仕様です。
また、旧型には無かった装備としてエアコンやラジオ、変速機もMT(マニュアル)からAT(オートマチック)へと変更。
単純に新型の車両を導入しただけではなく、より使い勝手のよい車両へと進化しています。
旧型:ジープタイプ
新型の1/2tトラック(パジェロ)が導入される以前は、クライスラーのジープを三菱自動車がライセンス生産していました。
新型とは異なり、エアコンも無く変速機もMTです。
トップ部分はドアも含めて幌でできていて、リア部分の窓はジッパーで開け閉めします。
新型への更新が進んでいますが、現在でも、駐屯地や演習場で貴重なジープタイプを見かけることがあります。
ちなみに、64式対戦車誘導弾や106mm無反動砲などの少し旧型の装備は、ジープタイプにしか搭載されていません。