1tトレーラーに6基のコンロ(バーナー)やかまど、野菜を細かく切り刻めるスライサーなどを搭載。これを3t半トラック(31/2tトラック)で牽引して展開する地域や派遣先へと移動して使用する移動式調理器材です。
後方展開する宿営地などでの隊員への食事の調理だけではなく、近年では震災など災害派遣先で被災者への炊き出しにも活躍しています。
野外炊具1号は1960年頃から配備がはじまり、導入後も様々な改良が加えられてきました。2010年に開発された新型が「野外炊具1号22改」と呼ばれるタイプになります。
迅速かつ短時間で温かい食事を提供する能力が求められているため炊事能力は非常に優秀で、"45分以内に200人(最大で250人)の食事を同時調理"が可能です。
各調理機器の性能としては、内釜1個で25人分の炊飯が可能。外釜1個で35Lの水を30分以内で沸騰させる能力があります。またスライサーはスペック上では約375kgの野菜を1時間で細断できる性能とされています。
装置の破損や安全性の問題などから基本的には行いませんが、牽引移動中でも調理が可能とされています。
野外炊具1号(22改)について
最新型の"野外炊具1号22改"にはマイコン制御により、自動点火・消火、安全対策として不着火防止・立ち消え防止機能が付いています。0度以下の保冷が可能な冷凍冷蔵装置、給水貯水機能(給水ポンプ、タンク貯水)も備えています。
操作もダイヤルとトグルスイッチなどから、ON・OFF、切り替え、上げ下げボタンへと変わり、微調整が必要だった火力調整などの操作性も向上しています。
また22改では、かまど部分のみを取り外して個別に使うことも可能で、分離かまどブロックに発電機と燃料缶を繋げて使用します。この独立した"かまど部分"を小部隊で使用できる様にしたタイプが「野外炊具2号(改)」です。
1個中隊に1台の割合で全国の後方支援部隊に配備されていています。