この機体は1963年にアメリカで開発された軽観測ヘリコプターOH-6Aカイユースが原型になっていて、米ヒューズ社(現MDヘリコプターズ社)のモデル500をOH-6Jとして1969年から陸上自衛隊に導入を始めました。
OH-6Aは1970年までに1434機が生産され、居住性の向上と騒音の軽減をした民間型も開発されました。
それまで陸上自衛隊では観測ヘリコプターとして使用されていた小型ヘリコプターH-13の後継機として導入後、川崎重工によって国内で機体のライセンス生産、エンジンを輸入購入して運用します。
OH-6型は世界30ヶ国以上で使われ、累計で6000機以上も生産された人気のある機体でもあります。
見た目からも分かる様にOH-6シリーズは「フライングエッグ(空飛ぶ卵)」とも呼ばれて親しまれているヘリで、パイロットの乗り込む胴体が卵型のモノコック構造のため軽量で視界もとても広いです。
機体構造機体構造として、軽量なことと機体・ローター構造のお陰で宙返りができる程の運動性能を持っていて、このローターにもリジッド・ローターという結合方式を初めて採用した事も特徴になっています。
コックピットにも広くする工夫があり、ターボシャフトエンジンを胴体後部へ傾斜をつけて搭載したことで、小型の機体ながら前後に2名ずつ計4名搭乗できる様にもなっています。
着陸装置にはタイヤではなくスキッド(そり)式が使われているため接地時の衝撃が強うそうに思われますが、窒素式緩衝オレオが採用されているため着陸時に受ける衝撃も緩和されます。
1969年から陸上自衛隊に導入していたOH-6Jですが、1997年からは改良型のヒューズ500Dを陸上自衛隊仕様にした「OH-6D」の調達を始めます。
OH-6Dの進化ポイントとしては、まずエンジンの出力を向上して強化してメインローターを4枚からを5枚に増やし、尾翼もV字からT字型へと形状が変更されています。
さらに127号機からは機首に前方監視赤外線装置を搭載した機体も製造されていて、観測・偵察以外にも連絡や操縦訓練に使える練習機としても使用できて利便性がとても高いです。
この練習機として活躍していることから、航空自衛隊のT-4練習機から編成されているブルーインパルスの様に、三重県の航空学校・明野駐屯地には「明野レインボー」、栃木県の航空学校・北宇都宮駐屯地の「スカイホーネット」と、曲技飛行チームにも使用されていましたが、現在は練習機がTH-480Bへ交代して新たなる曲技チームが編成されています。
各方面隊の航空隊に配備されていて、旧式化もあってOH-1が後継として開発されて順次更新が考えられていましたが、コスト高などから完全に入れ替わのは難しく、新たなる機体が選定されるまでは当分は使用され続けるでしょう。