化学物質や放射性物質などにより地域・施設・人員などが汚染されてしまった場合に、汚染物質を取り除く「除染」作業を行うための装備です。
検知・測定後に行う除染作業で活躍する装備なので、化学防護車やNBC偵察車の様な気密性や乗員を防護するフィルター等の装置は搭載されていません。
震災時の津波、河川氾濫・堤防決壊時の洪水発生時には、下水からの汚水が住宅街などへの流れ出てしまうことがあります。
除染車は、この流出した汚水により発生する感染症の予防にも、防疫消毒作業のために使用されたりもします。
車体は、3t半トラック(73式大型トラック)がベースで、荷台部分に水や中和剤が入る2500Lタンクや加温装置、散布ノズルなどを搭載。
水や中和剤の散布は車体前部と側面にある散布ノズルから行われ、車体後部には約15mのホース付き散布銃を備えています。
この散布銃を使って防護服着用の隊員が車両タンク部の荷台から散布したり、停車時には除染車自体を洗浄するのにも使われます。
また、搭載されている加温装置はタンク内の水や中和剤の温度を1時間で45度に加温できる性能があり、これを散布することで汚染地域の細菌やウイルスなどへの除染効果を高めることができます。
全国の特殊武器防護隊や化学防護隊だけではなく航空自衛隊へも配備されています。