10式戦車

10式戦車10式戦車
10式戦車|実弾射撃10式戦車|実弾射撃
10式戦車|正面車体正面
10式戦車|後部車体後部
10式戦車|車体後方車体後方
10式戦車|後部ラック後部ラック
10式戦車|車体後部車体後部
10式戦車|モジュール装甲モジュール装甲
10式戦車|砲塔部分砲塔部分
10式戦車|120mm滑空砲120mm滑空砲
10式戦車|視察照準装置視察照準装置
10式戦車|環境センサー環境センサー
10式戦車|車載重機関銃車載重機関銃
10式戦車|同軸機関銃同軸機関銃
10式戦車|スカートスカート
10式戦車|広報センター展示車広報センター展示
10式戦車|富士学校展示試作車富士学校試作
10式戦車|技術本部試作4号車試作4号車
10式戦車|装備品展示装備品展示
10式戦車|装備品展示装備品展示
10式戦車|装備品展示装備品展示
10式戦車の洗車戦車の洗車
10式戦車|10式・74式10式・74式
10式戦車|姿勢制御姿勢制御
10式戦車|通常走行通常走行
10式戦車|高速後退高速後退
10式戦車|機動走行機動走行
10式戦車|機動走行機動走行
10式戦車|スラローム走行スラローム
10式戦車|急旋回急旋回
10式戦車|小隊観閲行進観閲行進
10式戦車|観閲行進観閲行進
10式戦車|空砲射撃空砲射撃
10式戦車|主砲空砲射撃空砲射撃
10式戦車|実弾射撃実弾射撃
10式戦車|実弾射撃実弾射撃
10式戦車|実弾射撃実弾射撃
10式戦車|スラローム走行から射撃スラローム射撃
10式戦車|後退間射撃後退間射撃
10式戦車|対戦車榴弾対戦車榴弾
10式戦車|徹甲弾徹甲弾
10式戦車|空砲弾空砲弾
装備品性能詳細
制式化 2009年12月
価 格 約10億700万円
全 長 9.42m
全 幅 3.24m
全 高 2.30m
全備重量 約44t
最高速度 約70km/h
搭載機関 水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジン
出 力 1200PS/2300rpm
乗 員 3名
装填方式 自動装填
情報共有 C4I
武 装
開 発 防衛省技術研究本部
(現:防衛装備庁)
製 造
  • 車体・砲塔|三菱重工業
  • 主砲|日本製鋼所
装備品概要解説
10式戦車10式戦車

日本の地形や市街地戦闘も行える軽量でコンパクトな戦車を目指して、1996年から基礎研究を始め2001年には開発を開始。
2008年にはまだ「TK-X」の名称でしたが試作車として、陸上装備研究所(神奈川県 相模原市)で報道公開されました。

このTK-Xとは「TK→戦車(タンク)|X→試作」で、試作戦車という意味で、戦闘機には「X-2」だったり輸送機に「XC-2」が使われたりします。

その後、防衛省技術研究本部(現:防衛装備庁)に三菱重工業と日本製鋼所が共に開発を進めて、2009年12月に「10式戦車」として制式化され2010年からは最新の第3世代主力戦車として調達を開始しました。

10式戦車の開発経緯として、冷戦時代には北方防衛のために北部方面隊(北海道)を中心に、強力な主砲と複合装甲を持つ90式戦車が配備されます。
これは当時、ロシア(旧ソ連)には125mm砲を搭載したT-80戦車が配備されていて、陸上自衛隊が保有する61式戦車や74式戦車などでは火力不足だったためです。

そして冷戦が終わるころには74式戦車の旧式化も進み後継機が必要になってきますが、代替え機として車体重量が50tを超える90式戦車を全国展開するのは日本の道路事情にも不向きで現実的ではありませんでした。
ちなみに10式戦車は先に配備されていた90式戦車の後継ではなく74式戦車に代わる正当後継機です。

また90式戦車が第3世代戦車で10式が第3.5世代だといわれることもありますが、実際に研究開発されている方に聞くと3.5という呼び方は無く、第4世代と呼べる戦車が出てくるとしたら、主砲がレールガンやビーム砲、核融合機関であるなどが考えられるそうです。

機動力と足周り
10式戦車|スラローム走行スラローム走行

機動力の元となるエンジンですが、出力1200馬力(PS)の8気筒ディーゼルエンジンが搭載されていて、これは1500馬力(PS)10気筒ディーゼルの90式戦車に比べれば劣っています。
ですが、重量が44tへと90式戦車から6tも減少したことや、トランスミッションに動力の伝達効率の高い無段階変速機が使われてので、最大70km/hの速度で走行できる機動性が確保されています。

無段階変速機というと分かりにくいかもしれませんが、乗用車にも一般的につかわれている1速・2速などの変速ギアが無い「CVT」を戦車用に使っています。

足回りには、安定した射撃や走行を実現する油気圧式サスペンションが使われ、74式戦車同様に前後左右の高い姿勢制御が可能。
さらに走行時の速度や動きを自動制御する半能動的制御(セミアクティブ)サスペンションが採用と無段階変速機(CVT)によって、スラロームや後退間での安定した主砲射撃が実現されています。

東富士演習場で行われる富士総合火力演習では、スラロームでの実弾射撃なども披露され、駐屯地創立記念行事でも10式戦車が来れば訓練展示でもスラローム走行は見られる場合もあります。

こんな重量のある戦車をあやつる方法は単純化されていて、バイクの様なアクセルとブレーキがついたT字ハンドルで操縦を行い、足元には操作ペダル類がありません。

装甲と攻撃力
10式戦車|砲塔部装甲砲塔部装甲

防護性能として、まず車体と砲塔は溶接組み立て構造で基本装甲も90式戦車に使われていた複合装甲ですが、10式戦車が完成するまでの約20年間の研究により軽量で90式戦車以上に強固な装甲に進化しています。

基本装甲以外にも、砲塔には前面に特殊装甲モジュール、側面に空間装甲モジュールを装備。
この装甲は敵の脅威に応じて換装可能な外装式モジュール装甲になっていて、被弾した場合にも部分的に装甲交換や修理が行え、技術の進歩により新素材装甲への換装であったり、爆発反応装甲(リアクティブアーマー)の取り付けもできる様になっています。

また履帯(キャタピラ)を防護する車体側面の鋼鉄製スカート下部にはゴム製スカートも取り付けられていて、これによりステルス性も向上しています。

武装として、主砲には90式戦車と同口径の44口径120mm滑空砲を搭載していますが、国内開発されている違いがあります。

74式戦車ではイギリスのビッカース社製のL7A1ライフル砲、90式戦車はドイツのラインメタル社製のL44滑空砲を日本製鋼所によって国内ライセンス生産していました。
これらの培ってきた戦車砲開発と製造技術の蓄積によって、10式戦車には同時開発された新型徹甲弾を最も効果的に使える120mm滑空砲が開発されて搭載されています。

このことから同口径砲でありながら軽量で燃焼効率が向上した砲を装備する10式戦車は、90式戦車以上の攻撃力を持つといわれる理由です。

砲弾
10式戦車|120mmTKG120mmTKG

砲弾は自動装填装置によって主砲へと装填されるので装填手は不要で乗員は操縦手、射撃手、車長の3名なのは90式戦車と同じ。
自衛火器もこれまでと同様に、主砲同軸に74式車載7.62mm機関銃、砲塔上部銃座に12.7mm重機関銃M2が搭載されています。

主砲弾には、120mmTKG演習弾、120mmTKG対戦車榴弾(HEAT弾)、120mmTKG装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS弾)など、ライフリングの無い滑空砲にあわせたものが90式戦車同様に使われます。

簡単な説明にはなりますが、HEAT弾は砲弾内の成形炸薬の燃焼効果で装甲を撃ち抜く。
APFSDS弾は口径よりも細い羽の付いたダーツ矢の様な弾を安定筒と共に撃ち出し、発射後に筒と分離して無回転高速で飛翔した弾が装甲を貫く。
目標にあわせて砲弾を選択して効果的に戦闘を行います。

索敵や射撃方法にはデジタル技術が使われ、車内の大型タッチパネルモニターには敵の情報や残弾、残りの燃料なども表示されます。
この画面に表示された敵目標をタッチすると自動追尾が行われ、射撃ボタンでの射撃以外にもネットワーク化された戦車の中から一番近い自軍戦車を割り出し、タッチパネルにより間接的射撃を行う事も可能です。

ネットワーク

10式戦車のもっとも特徴となるのがネットワーク化で、採用されているC4Iシステムは普通科部隊などのネットワークシステムと連携して作戦行動が行え、無人観測ヘリや戦闘ヘリコプターとも情報リンクによる作戦行動が行える様になりました。

この「C4I」というのはこれらのネットワークのための「指揮:Command・統制:Control・通信:Communication・コンピュータ:Computers・情報:Intelligence)」の頭文字から取られています。

戦車基幹連隊指揮統制システムとも完全にリンクしているので、将来的にもより高い戦闘システムにも対応していけるでしょう。

2010年の配備開始後、まずは富士学校・戦車教導隊(御殿場地区)や武器学校(土浦)などに教育用として試作車両を配備。
その後、第1師団・戦車大隊や西部方面隊などに配備され、将来的には装輪式の16式機動戦闘車と10式戦車を各方面隊への効果的な配備が期待されます。