1970年代からアメリカ陸軍向けに現ボーイング社が開発を始め、1984年から量産が始まった戦闘ヘリで、冷戦時代のワルシャワ条約機構軍の戦闘車両部隊に対抗するために開発された経緯があります。
この見た目からもわかる様に重武装・重装甲の機体のため「空飛ぶ戦車」とも呼ばれるヘリです。
陸上自衛隊に導入されている機体は第2世代の「D型」と呼ばれるもので、2005年から取得・配備をはじめました。
このD型の特徴でもあるメインローターマスト上に見られる「ロングボウ・レーダー装置」は、対地ミリ波レーダーにより、地上の戦車や装甲車などの目標に対しての広範囲な索敵能力を持っています。
また、機首前方には赤外線・光学センサー類からなる目標捕捉、指示照準装置(TADS)、操縦用暗視装による火器管制装置を備えています。
防護性能としても優れていて、コックピットにはチタン合金製の装甲が施され、被弾時のパイロットの生存性を確保する対策がされています。
メインローター部分も23mm機関砲弾の直撃を受けたとしても、30分は飛行を続けられる構造になっていて、その実際の試験映像からも確認することができ、ネットなどでも見ることができます。
当初は旧式化が進む陸上自衛隊の主力攻撃ヘリAH-1Sコブラの後継として調達が始められましたが、1機約50億円と非常に高価なため少数での調達に留まってしまいました。
その後、現状ではライセンス元からの部品調達が行えなくなり、13機で調達終了となっています。
霞ヶ浦駐屯地や明野駐屯地などの航空学校以外で実践部隊配備されているのは、西部方面隊の第3対戦車ヘリコプター隊(目達原駐屯地)のみです。
13機での配備ではコブラの後継には難しく、新たなる機種の選定が急がれています。