低空域で侵入してくる航空機の撃墜を目的とした、砲弾を撃ち出すタイプの高射砲を発展させた中距離地対空誘導弾(中距離ミサイル)です。
HAWKとは「Homing ALL the Way Killer」の頭文字で、「追いかける殺し屋」という意味をもっています。
基本ホークは1954年から開発が始まり、これが迎撃用ミサイルとして完成した後の1963年から改良ホークの研究開発がアメリカでスタート、1972年からヨーロッパ駐留米軍部隊へ配備されました。アメリカ軍以外にもドイツ・フランス・イタリアも基本型ホークの改良型へ装備の更新が行われていきました。
ホーク改の誘導弾(ミサイル)はローダーと呼ばれる装置で運搬され、三連装の発射機に装填して目標へ向けて発射します。
ミサイル発射後の誘導方法としては、イルミネータ・レーダーから目標へ向けて電波を照射し、その電波の反射を受信して誘導弾が追尾するセミ・アクティブレーダー誘導方式が使われています。
ホーク改を運用するためのシステムの構成としては、ミサイルを装填・発射する「誘導弾発射機」、そこへ運搬装填する「ローダー」、そして目標探索などを行う各種レーダー装置や指揮装置などからなります。
これらレーダー装置や発射機はどは、3t半トラックなどの車両により牽引して展開する地域へと移動します。
陸上自衛隊では1965年からアメリカからの輸入により配備が始まり、三菱電機や東芝による国内でのライセンス生産を行ってきました。
1977年から基本ホークから改良ホークへの更新を始め、Ⅰ型・Ⅱ型へと移行し、2003年にⅢ型への更新が完了します。
度重なる改良を行ったことで、低空目標対処や電子妨害対策を備えましたが、新たなる脅威への対応が難しく改良も限界に達した事もあり、現在では国産の03式中距離地対空誘導弾への更新が進められています。
ホーク改はまず最初に1965年から北部への配備が開始され、全国の高射特科群に配備されていきました。