第一次世界大戦が行われていた1918年にアメリカのジョン・ブローニングによって水冷式の重機関銃M1が開発されました。このM1をベースに水冷から空冷に改良、耐久性の向上を施したタイプを1933年にアメリカ軍がM2として採用。現在でも日本を含めた世界各国で使われ続けているロングセラー火器です。
M2は非常に信頼性の高い機関銃で、量産がしやすいことや汎用性の高さなども長く使われている理由になっています。
日本では自衛隊の前身となる警察予備隊時にアメリカから12.7mm重機関銃M2が供与され使われはじめました。1985年からは住友重機械工業による国内でのライセンス生産を開始。現在でも調達が続けられています。M2は陸上自衛隊だけでなく、海上・航空自衛隊、海上保安庁でも使用されています。
射撃方法
射撃方法として、通常の携行型機関銃の様な引き金はありません。"銃尾にある押金トリガー"を押し込む事で射撃を行います。作動方式には次弾を射撃時の反動により弾帯から自動装填される反動利用が用いられています。
銃の構造が単純な機構なため動作不良や破損も起こりにくいことも信頼性が評価されている理由の一つです。ただ長時間の連続射撃にも耐えられる様に銃身は分厚く重量もかなりあり、M2を三脚に設置すると約58kgにもなります。逆にこの重量のおかげで反動を抑えて安定した射撃が可能になっています。
三脚以外にも専用架台に載せて陣地防衛用としての設置や航空機への対空目標対処への使用。他にも自衛火器として戦車や装甲車両、後方支援部隊のトラックなどに搭載するなど、多目的で汎用性のある使われ方がされています。
さらに多用途ヘリUH-1J、UH-60JAなどの航空機に搭載してドアガンとして使用し、地上部隊を支援する強力な火力にもなっています。
海上自衛隊では護衛艦や支援船等にも自衛火器として搭載。洋上で艦艇からM2の射撃訓練を行う様子が自衛隊ホームページで写真が公開されています。