陸自調査団 陸上自衛隊装備品装甲車

87式偵察警戒車

87式偵察警戒車87式偵察警戒車
87式偵察警戒車|公道走行用風防付き87式偵察警戒車:風防付き
87式偵察警戒車|車体前面車体前面
87式偵察警戒車|車体前面車体前面
87式偵察警戒車|車体前方車体前方
87式偵察警戒車|車体前方車体前方
87式偵察警戒車|車体側面車体側面
87式偵察警戒車|車体後方車体後方
87式偵察警戒車|車体後方車体後方
87式偵察警戒車|車体後部車体後部
87式偵察警戒車|砲塔部分砲塔部分
87式偵察警戒車|25mm機関砲25mm機関砲
87式偵察警戒車|25mm機関砲25mm機関砲
87式偵察警戒車|車載機関銃車載機関銃
87式偵察警戒車|コンバットタイヤコンバットタイヤ
87式偵察警戒車|発煙弾発射機発煙弾発射機
87式偵察警戒車|装備品展示装備品展示
87式偵察警戒車|公道走行用風防付き風防付き

偵察行動・行進

87式偵察警戒車87式偵察警戒車
87式偵察警戒車|偵察行動偵察行動
87式偵察警戒車|偵察後離脱偵察後離脱
87式偵察警戒車|偵察警戒偵察警戒
87式偵察警戒車|偵察警戒偵察警戒
87式偵察警戒車|威力偵察威力偵察
87式偵察警戒車|小隊行動小隊行動
87式偵察警戒車|観閲行進観閲行進
87式偵察警戒車|観閲行進観閲行進
87式偵察警戒車|観閲行進観閲行進

空砲・実弾射撃

87式偵察警戒車|機関銃空砲射撃機関銃空砲射撃
87式偵察警戒車|機関銃空砲射撃機関銃空砲射撃
87式偵察警戒車|車載機関銃射撃同軸機関銃射撃
87式偵察警戒車|主砲実弾射撃主砲実弾射撃

装備品性能詳細

制式採用 1987年
価 格 約2億5000万円
全 長 5.99m
全 幅 2.48m
全 高 約2.8m
全備重量 約15t
最高速度 約100km/h
航続距離 約500km
乗 員 5名
搭載機関 いすゞ10PBI
水冷4サイクルV型10気筒ディーゼル
出 力 305PS/2700rpm
武 装
開 発 小松製作所
製 造
  • 車 体:小松製作所
  • 機関砲:日本製鉄所

装備品概要解説

87式偵察警戒車87式偵察警戒車

82式指揮通信車のコンポーネントを活用して開発された国産の偵察用装輪(タイヤタイプ)装甲車です。1983年より開発が始まり1987年に制式採用されました。

これまで陸上自衛隊の偵察任務には偵察用オートバイを用いた機動偵察がメインでしたが、非装甲のオートバイでは偵察隊員の生存性の問題や、敵からの反撃時の火力不足が課題でした。本装備の配備で敵の攻撃にも耐え、搭載火器での反撃も可能な威力偵察が行える様になりました。

87式偵察警戒車は開発・製造を小松製作所が行い、エンジンなどのパーツに82式指揮通信車と共通のものを使用しています。これにより開発期間の短縮や製造コストを抑える工夫がされています。

車体は圧延防弾鋼板による全溶接構造で作られています。小銃弾を防ぐ程度とされている装甲ですが、舗装路では100km/hの速度で走行が可能なので、特に市街地での高い機動性による強行偵察に効果を発揮します。また一般道を走行する際には、視界の確保などからガラス張りの風防を取り付ける場合もあります。

ちなみに87式偵察警戒車は"RCV(Reconnaissance Combat Vehicle)"と略され、陸上自衛隊公式として"ブラックアイ"という愛称がつけられています。

車体構造

87式偵察警戒車|偵察行動偵察行動

車体構造として、82式指揮通信車をベースにした車体上部に25mm機関砲を装備した砲塔を搭載しています。82式指揮通信車とは異なり砲塔を搭載するため、エンジンを車体中央部から後方へ移動されています。

足回りには被弾時にも走行が続けられるコンバットタイヤ(ランフラットタイヤ)を装備。変速は前進6速、後進1速、操舵(ステアリング)は前4輪の稼働で行われます。舗装路などでは通常、後方4輪で駆動しますが、演習場などの不整地では全輪駆動(6輪駆動)に切り換えて走行します。またサスペンションにトーションバー式が使われていることも不整地での安定走行に繋がっています。

車内には車長、砲手、操縦手、前部偵察員、後部偵察員の5名が搭乗します。車体前部右側にペリスコープを3つ備えた操縦手席、その左側にペリスコープ1つの前部偵察員、車体後部右側にエンジンが搭載。砲塔内には車長と砲手が搭乗します。

乗員の乗り降りは車体前面、砲塔上部、車体両側面、車体後部にあるハッチから行われます。砲塔上部のハッチ前部にはカメラが配置され、車内モニターからでも車外を監視できる様になっています。また微光暗視装置も備えているので、夜間での監視任務にも対応可能です。

87式偵察警戒車の武装

砲塔には主武装として対地・対空射撃が可能なスイスのエリコン社製 KBA-B002 90口径25mm機関砲を搭載しています。この機関砲には二重給弾方式が用いられ、射撃時に徹甲弾(装弾筒付徹甲弾:APDS)と榴弾(HEI-T)の切り替えも可能です。同軸には各戦車や89式装甲戦闘車などにも搭載されている74式車載7.62mm機関銃を備えています。

他にも自衛装備として砲塔両側に発煙弾発射機が装備され、生産時期によって新型には4連装、旧型は3連装になっています。

全国の師団・旅団の偵察隊を中心に、北部方面隊(北海道)の戦車・普通科連隊にも警戒車両として配備されています。