1974年から開発が始まり1981年に制式採用された自走式の架橋機材。地隙(地割れなどによる土地の隙間)や河川に橋を迅速に架設して戦車等を通過させるために使われます。81式自走架柱橋の導入により組み立て式のパネル橋よりも、機動力と展開速度は格段に向上しています。
車体は装甲が施されていない74式特大型トラックをベースに荷台部分へ架橋機材を搭載。2分割2段重ねの導板と2本の架柱、導板を制御するアーム、揚げ下ろしを行う後部アームから架橋装置が構成されています。
この架橋機材は1セットは6両で構成され、1両あたりの橋展開は長さ10m、幅3.75m。1セット全てを展開すると最大60mの橋を構築できる架橋能力を持っています。
架橋について
架橋方法としてはまず、車体後部にアウトリガーを展開。後部へ導板を伸ばしていくのでバランスを崩して転倒するのを防ぐための支えとなります。
橋の展開は車体上で導板を連結して油圧により後方へと水平に繰り出していきます。この導板自体は地面に立てた架柱を調整する事で2~4mの高さに変えることができます。
1両は15~20分ほどで展開させられるので迅速に最大60mの橋が構築させられます。ですがどうしても架柱を地面や河川内に立てる構造であるため、地面の形状や川の流速が毎分1.5m以下でないといけないなど設置場所に制限があるのは弱点となっています。
また通過させられる重量も最大42tのため74式戦車までなら通過可能。90式戦車や99式自走155mm榴弾砲などを通過させる性能はありません。そのため2007年からは架柱(橋脚)が必要なく最大60tまでの車両にも対応した"07式機動支援橋"が導入され配備が進められています。
全国の施設大隊・中隊などの施設科部隊に配備されています。