陸自調査団 陸上自衛隊装備品航空機

対戦車ヘリコプター AH-1S コブラ

対戦車ヘリコプターAH-1S対戦車ヘリコプターAH-1S
AH-1Sコブラ|地上展示AH-1Sコブラ|地上展示
AH-1Sコブラ|機首部分機首部分
AH-1Sコブラ|20mm機関砲20mm機関砲
AH-1Sコブラ|スタブウイングスタブウイング
AH-1Sコブラ|TOWランチャーTOWランチャー
AH-1Sコブラ|70mm空対地ロケット70mm空対地ロケット
AH-1Sコブラ|ヘルメット等ヘルメット等
AH-1Sコブラ|スキッドスキッド
AH-1Sコブラ|操縦席搭乗操縦席搭乗
AH-1Sコブラ|機関砲実演機関砲実演
AH-1Sコブラ|機関砲弾とリンク機関砲弾/リンク
AH-1Sコブラ|擬製弾準備擬製弾準備
AH-1Sコブラ|砲弾箱砲弾箱
AH-1Sコブラ|砲弾箱設置部砲弾箱設置部
AH-1Sコブラ|砲弾箱設置砲弾箱設置
AH-1Sコブラ|機体下部機体下部
AH-1Sコブラ|機体後部機体後部
AH-1Sコブラ|エンジン部開放エンジン部開放
AH-1Sコブラ|ロケット弾補給ロケット弾補給
AH-1Sコブラ|補給後離脱補給後離脱
AH-1Sコブラ|対戦車ミサイルTOW射撃TOW射撃
AH-1Sコブラ|TOW発射TOW発射
AH-1Sコブラ|車両で牽引車両で牽引
AH-1Sコブラ|機体側面機体側面
AH-1Sコブラ|機体前面機体前面
AH-1Sコブラ|給油作業給油作業
AH-1Sコブラ|広報センター展示広報センター展示
AH-1Sコブラ|スカイコブラスカイコブラ
AH-1Sコブラ|痛コブラ痛コブラ
AH-1Sコブラ|機動飛行機動飛行
AH-1Sコブラ|機動飛行機動飛行
AH-1Sコブラ|スカイコブラスカイコブラ
AH-1Sコブラ|編隊飛行編隊飛行
AH-1Sコブラ|観閲飛行観閲飛行
AH-1Sコブラ|編隊飛行編隊飛行
AH-1Sコブラ|編隊飛行編隊飛行
装備品性能詳細
配 備 1982年
価 格 約40億円
全 長 16.16m(胴体長13.59m)
胴体幅 3.28m
全 高 4.19m
ローター径 13.41m
全備重量 4.53t
最高速度 256km/h
航続距離 約520km
上昇限度 約5,000m
搭載機関 川崎 T53-K-703
ターボシャフトエンジン
出 力 1134SHP×1
乗 員 2名
武 装
  • ・M197旋回式3銃身 20mm機関砲(装填760発) ×1
  • ・70mmロケットポッド(空対地ロケット×38発) ×4(最大)
  • ・TOW対戦車ミサイル ×8(最大)
製 造
  • 機体:富士重工(ライセンス生産)
  • 機関:川崎重工(ライセンス生産)
装備品概要解説
AH-1Sコブラ|機動飛行AH-1Sコブラ

AH-1Sコブラは、陸上自衛隊に1982年から調達・配備を始めた対戦車ヘリコプターです。実際には「S型」ではなく近代化改修が施された「F型」に近い仕様になっています。アメリカ軍で運用されているAH-1FAH-1SステップⅢと呼ばれている機体に近くなっています。

攻撃用ヘリコプターの歴史はベトナム戦争が始まりです。ゲリラ戦が激しく膠着状態だった地上戦において上空から低空より接近して火力制圧ができる武装化されたヘリコプターの必要性が高まりました。導入初期は人員輸送などに使われていた多用途ヘリコプター UH-1に重機関銃などの火器を搭載してガンシップ化したものを使用していました。しかし搭載できる武器が限定的であったり機動性などの問題から前線では能力不足でした。そこでアメリカのベル社によりUH-1をベースに再設計したモデル209を1965年に開発。この機体が世界初の攻撃ヘリコプターとなるAH-1Gヒュイコブラです。

1977年にはエンジン、トランスミッションを強化して対戦車戦闘能力を付与したS型のAH-1Sを開発。陸上自衛隊はこれをベースとした機体を輸入して1978年~1980年の試験運用を経て導入することになります。

機体構造
AH-1Sコブラ|コックピットコックピット

機体構造として、操縦席は前後に段差をつけて設置されたタンデム式。後席に操縦手(パイロット)、前席に射撃手(ガンナー)が搭乗します。前席のガンナーは副操縦手も兼ねており後席のパイロットが操縦ができなくなっても対処できます。
この操縦席の配置は後に開発される攻撃ヘリコプターのスタンダードになっていて、陸上自衛隊に配備されている純国産の観測ヘリ OH-1も同じ配置となっています。

AH-1Sは戦闘時の被弾を避けやすくするために胴体は980mmと細くUH-1の3分の1程度まで胴体幅を抑えています。また、被弾時の動作不良を防ぐために油圧系統は三重構造で保護。攻撃を受けても帰還できる様に生存性が保たれています。

機首下部には固定武装として旋回式三銃身20mm機関砲を搭載。ガンナーのヘルメットに装着されたサイトと連動して頭を向けた方向へ機関砲も動き自動で照準が行える様になっています。この機関砲の上部機首部分には対戦車ミサイルの照準機が搭載されています。

機体左右には短翼(スタブ・ウィング)を配置。高速機動飛行には揚力を高めて飛行を補助する役割と70mmロケットポッドやTOW対戦車ミサイルランチャーを搭載するウェポンベイも兼ねています。ちなみにこのロケット弾1発の威力のイメージとして目標とするエリアを一般的な25mプールの範囲を面制圧できる破壊力を持っています。

C-NITE(シーナイト)
AH-1Sコブラ|照準器等照準器等

1993年から製造されている73号機以降の機体には、赤外線探知装置と赤外線画像装置から構成される前方監視赤外線装置(FLIR)を搭載。夜間での戦闘能力を確保した「C-NITE(シーナイト)」と呼ばれる機体になっています。

搭載される電子装置も多く、レーザー測距システム、FCSコンピュータ、赤外線ジャマー、HUD(ヘッドアップディスプレイ)などを搭載。生存性と射撃精度が高まっています。

また新規製造機や改修機にはインテーク・シールドと呼ばれるカバーが取り付けられる様になりました。これはロケット弾を発射した時に発生するバックファイアにより周辺酸素が燃焼。エンジンに取り込まれる酸素が減ることで発生する出力低下を防ぐ効果があります。

陸上自衛隊に導入されているAH-1Sコブラはアメリカで開発された購入試験機の2機以外は、富士重工によってライセンス生産された国産機です。

陸上自衛隊でのAH-1Sコブラの運用として、各方面隊の第1~第5対戦車ヘリコプター隊や航空学校に配備。1995年までに90機を導入しましたが旧式化により配備機数も減少してきています。
AH-64Dアパッチ・ロングボウが後継機として配備をはじめましたが、13機で調達終了となり新たな後継機種の選定が急がれます。