陸自調査団 陸上自衛隊装備品回収車

11式装軌車回収車

11式装軌車回収車11式装軌車回収車
11式装軌車回収車|正面11式装軌車回収車|車体正面
11式装軌車回収車|発煙弾発射機発煙弾発射機
11式装軌車回収車|クレーンクレーン
11式装軌車回収車|走行時走行時
11式装軌車回収車|装備品展示装備品展示
装備品性能詳細
調達開始 2011年
全 長 約9.10m
全 幅 約3.40m
全 高 約2.60m
全備重量 約44.4t
最低地上高 約0.40m(地上高変換可能)
旋回性能 超信地
最高速度 約70km/h
牽引能力 約45t
吊上能力 約23t
搭載機関 水冷4サイクル8気筒ディーゼル
出 力 1,200PS
乗 員 4名
武 装 12.7mm重機関銃M2 ×1
開 発 防衛省技術研究本部
(現:防衛装備庁
製 造 三菱重工業
装備品概要解説
11式装軌車回収車11式装軌車回収車

10式戦車の配備に合わせて開発され、2011年から調達が開始された78式戦車回収車の後継となる回収車です。
50tを超える90式戦車以下の重量の装軌車両を回収する目的で開発されているため、戦車に限定しない回収作業を考慮したことで「装軌車回収車」という名称になっています。

10式戦車の車体をベースに砲塔部分を取り外して、クレーンやウィンチ等の回収装置を搭載しています。
そのため10式戦車同様に履帯(キャタピラ)部分は鋼製のサイドスカートで守られています。

また車両回収装置などは90式戦車回収車と同様の配置になっています。
11式・90式ともに実に良く似ているため、部分的には異なりますが初めて見る方は判別しずらいかもしれません。

回収性能としては、ウィンチの牽引能力が約45t、クレーンの吊り上げ能力約23tで、78式戦車回収車よりは向上していますが90式戦車回収車には劣る性能です。
これは10式戦車が90式戦車より軽量化されたことで、この性能でも回収作業が十分に問題なく行えます。

自衛火器としてこれまでの回収車と同じ12.7mm重機関銃M2を車上に搭載して、乗員室前部に発煙弾発射機が設置されています。

行動不能になった戦車の修理・回収が目的のため、これまでは戦車を運用する機甲科部隊が装備していました。
近年では「戦車直接支援隊」が創設されて、こちらで戦車(装軌車)回収車の運用や回収された車両の整備を行っています。