平成25年度 立川防災航空祭
~オープニング・航空機回収展示~

  • 実施:2013年11月10日(日)
  • 場所:陸上自衛隊 立川駐屯地(東京都 立川市)
オープニング・セレモニー

東京都 立川市に所在する「陸上自衛隊 立川駐屯地」で「平成25年度 立川防災航空祭」が実施されました。
午後から雨との予報で駐屯地開門時は曇り空でした。
立川駐屯地の航空祭恒例の、正門前での自衛隊反対デモ活動が行われています。
入門すると、CH-47Jの地上滑走搭乗の整理券に長蛇の列ができていますが、見学場所確保のため式典会場へ向かいます。

9時35分頃より東部方面音楽隊が式典会場へ入場してきました。
10分程音楽演奏が行われ、行進曲など全2曲演奏されました。
音楽演奏時にはそれほど来場者は多くなく、体験搭乗整理券に待ちの方もいます。

音楽演奏後、航空機の地上展示を見に行こうかと思っていました。
しかし、ヘリの飛行音や周囲の様子から動きがある様です。
オープニングセレモニーに向けて、会場があわただしく動き出しました。

音楽演奏終了から約5分後、UH-1Jが会場中央へ飛来して来ました。
UH-1Jの尾翼部分を見ると、航空祭記念塗装が施されている機体であることが確認できます。

UH-1J機内から「立川駐屯地司令」と「立川市長」が降りて来られました。
先導する隊員の方に導かれ、会場中央の式台へ登壇。
立川市長は隣に着席されています。

登壇された立川駐屯地司令より祝辞行われ、近年の異常気象による災害やそれに対する備えや災害派遣などについて述べられていました。
続いて立川市長による祝辞も行われました。
市長もご出席いただきありがとうございます。

祝辞は2名の方のみでしたが、来賓席の市議会議員などの紹介も行われました。
これで式典は終了で、立川市長は公務のため退席されていきました。

航空機回収作業展示|使用航空機OH-6D

プログラム通りなら式典後は防災装備品紹介ですが、その他にもなにか展示が行われる様です。
会場の中央へOH-6Dが搬入されてきました。
運搬用車輪を外して隊員の方々は退場します。
これよりOH-6Dを使用した「航空機回収作業展示」が開始されます。

これまで防災航空祭では、航空機の回収作業展示は行われていないと思います。
とても貴重な展示で戦車回収展示は他駐屯地で時々ありますが、航空機で実施されるのは珍しいです。
会場に3t半トラックと、重レッカが進入して来ました。

3t半トラック2両と重レッカがOH-6Dの横に停車。
整備・回収作業を実施する隊員の方々が降車します。
降車した隊員達は航空機の作業準備を開始しました。

OH-6Dの吊り上げを行う重レッカが、車体を安定させるためにアウトリガーを展開します。
アウトリガー(車体安定脚)を使用することにより、車体を支えて安定させられます。

重レッカの作業準備と併せて航空機側では、OH-6Dのメインローターブレードの取り外しを始めています。
取り外したローターブレードを、地上で待機する隊員へ慎重に受け渡します。
ローターブレードは3t半トラックへ積み込みます。
航空機を運搬中に接触などにより、ブレードを破損さないために取り外して運搬する方法をとっています。

アウトリガーの展開が完了した重レッカがクレーンを伸ばしはじめました。
延長したクレーン先端フック部分を、OH-6Dの上方へ旋回させて吊り上げる体勢をとります。
この重レッカが搭載するクレーンの吊り上げは最大10tもの能力があります。

クレーンフックをOH-6Dのメインローター・ハブ部分に徐々に近づけていきます。
近づけたフックとローター・ハブにワイヤーを接続します。

機体周辺では吊り上げ時に機体が振れない様に、OH-6Dへ振れ防止ロープを取り付けています。
吊り上げ時にはロープを左右に張ることで機体の振れ防止をします。
吊り上げが開始され、周囲の隊員が振れ止めロープで支えながら徐々に機体が持ち上がっていきます。
吊り上げ時に地面と離れる瞬間が一番危険なので、地切り確認は確実に行われます。

吊り上げられているOH-6Dの下方へ、3t半トラックを後退させます。
荷台部分が機体の真下へ来る様に調整させて停車します。
少しずつ、機体を荷台へと降下させていきます。

降下させた航空機が荷台へ確実に接地した事を確認して接地の確認完了後、クレーンのフックを取り外します。
クレーンフック取り外しとあわせて、荷台へナイロンロープによる固定もおこなわれています。
吊り上げ作業を終えた重レッカは、クレーンを旋回・収縮して撤収作業に入っています。

重レッカ撤収作業とOH-6Dの固定作業が進んでいきます。
ナイロンロープにより荷台と航空機を締め付けて固定しないと、運搬中に航空機が動いて損傷させてしまうだけではなく、運搬するトラックがバランスを崩して横転してしまう原因にも繋がります。
機体と荷台との固定は確実に行う必用があります。

重レッカもクレーンを格納しました。
アウトリガーも収納して撤収準備が終わった様です。

これで航空機の回収作業が完了です。
この後、航空機は整備場へと運ばれ、機体の整備などが行われます。
以上、航空機の回収作業展示でした。