陸自調査団 イベント報告2013年イベント

平成25年 第1空挺団 降下訓練始め

実施日時:2013年1月13日(日) 実施場所:陸上自衛隊 習志野演習場(千葉県 船橋市)

訓練準備・大臣来場

降下訓練始め 降下訓練始め|習志野演習場

年初に行われる恒例の陸上自衛隊一般公開イベント。千葉県 船橋市所在の習志野駐屯地となり、習志野演習場で「平成25年 降下訓練始め」が実施されます。
第1空挺団は陸上自衛隊唯一の空挺部隊(落下傘降下)で、中央即応集団(CRF)所属の特殊部隊です。この日は風もほとんど無くて快晴に恵まれました。

降下訓練始め|LAV訓練準備 降下訓練始め|敵部隊の96式装輪装甲車

開門前から多くの方々が演習場前に並び待っています。8時30分に開門され、手荷物検査を通過後に演習実施場所へと徒歩又はシャトルバスで移動します。
徒歩でも15分くらい歩けば到着しますので、バスを待っているより早く着く場合もあります。演習エリアに到着すると、演習開始前ですが軽装甲機動車96式装輪装甲車などが準備を行っています。ちなみに赤い旗が立っている車両は演習時に敵部隊として活躍します。

降下訓練始め|飛来 降下訓練始め|飛来:来場

演習開始は10時過ぎからなので、1月の寒い中での待機になります。来場される機会がある方は、防寒対策を十分に行ってから行って下さい。開始前ですが来賓の方々が徐々に航空機で来場して来ます。UH-1Jで自衛隊関係者がやって来た様です。

降下訓練始め|UH-1J 降下訓練始め|降下 降下訓練始め|空挺降下

先ほどよりも高い高度で飛行しているヘリが見えてきました。会場上空まで飛んできたUH-1Jから1名の空挺隊員が降下しました。
これは降下訓練を行う演習開始の前に、降下可能かを確認する試験降下です。上空の風向きや強さによって降下が難しい場合があるためです。今回は問題なく降下が行えると判断できた様です。

降下訓練始め|UH-60JA 降下訓練始め|UH-60JA

演習開始が近づくにつれて、様々な関係者の来場が増えてきました。
航空機がたくさん飛行する降下訓練始めですが、今回UH-60JAが見られたのはこの時だけでした。ブラックホーク(UH-60JA)の機動飛行やドアガン射撃などが見たかった。

降下訓練始め|CH-47J 降下訓練始め|CH-47Jから来場

来賓の方が徐々に偉い方たちになってきました。次のCH-47Jから降りてこられたのは統合幕僚長だったみたいです。そろそろ今回一番の幹部が来るころでしょうか。

降下訓練始め|CH-47J 降下訓練始め|CH-47Jから降下 降下訓練始め|降下

まだ一番偉い方は来ていませんが降下可能かの最終確認の実施で、これが完了してからやってきます。より高い約3000mからの単独空挺降下です。CH-47Jからスカイダイビングの要領で行われる「自由降下」により降下しました。

降下訓練始め|CH-47J 降下訓練始め|防衛大臣

最終確認完了後、CH-47Jの飛来。桜星5つの旗を持っていますので、VIP来賓の「防衛大臣」です。降下訓練展示は火力演習と同様に防衛大臣自ら来られる重要な行事です。

敵地上部隊への攻撃

降下訓練始め|P-3C 降下訓練始め|P-3C

10時10分過ぎからいよいよ訓練演習の開始です。
近年では陸上自衛隊だけではなく、陸海空共同で作戦を遂行する「統合運用」に力を入れているため、訓練も合同で行われます。 状 況 開 始 ! ! 沿岸部に接近する敵の潜水艦に対して、海上自衛隊のP-3C対潜哨戒機による対潜爆雷投下です。P-3Cは潜水艦に有効な魚雷や爆弾、探知・探索するソノブイなどを用いて戦うサブマリン・キラーです。

降下訓練始め|支援射撃 降下訓練始め|支援射撃

今回は沿岸部から上陸してくる仮想敵国を想定した部隊撃破の様子を実施します。艦船により輸送されてきた敵装甲車の上陸をゆるしてしまいました。
観測班よりその状況が伝えられた本部は、内陸部に展開している特科部隊に射撃命令を出しました。155mm榴弾砲FH-70等の火砲による集中射撃の実施です。これにより敵部隊は一時後退していきました。

降下訓練始め|CH-47J 降下訓練始め|降下 降下訓練始め|降下

敵部隊が混乱して立て直しを行っているうちに、より詳しい敵情を収集します。偵察任務を与えられた空挺隊員がCH-47Jから降下し、隠密に敵部隊後方より探っていきます。

降下訓練始め|AH-64D 降下訓練始め|OH-6D 降下訓練始め|偵察行動

降下隊員とは別に、前線部隊からも偵察を実施。観測ヘリOH-6Dによる航空偵察と、それを援護する戦闘ヘリAH-64Dアパッチ・ロングボウが進入してきました。地上でも偵察オートバイによる機動偵察が行われています。

降下訓練始め|狙撃手 降下訓練始め|狙撃手

多用途ヘリUH-1Jが作戦地域へと進入して来ました。このUH-1Jにはギリースーツを装着した狙撃隊員が搭乗しています。

降下訓練始め|狙撃手 降下訓練始め|狙撃手

UH-1Jから降りた狙撃手と観測手の2名の隊員は速やかに展開します。いつでも狙撃が行える体制を確保するため前進!対人狙撃銃を携行する狙撃手と敵の位置や距離をはかる観測手は基本共に行動します。

降下訓練始め|偵察 降下訓練始め|ヘリから降下 降下訓練始め|ヘリから降下

こちらのUH-1Jには武装したレンジャー隊員が搭乗しています。高速で進入してきたヘリは降下ポイントへ移動してホバリング。機内よりロープで復数の隊員が降下して展開していきます。

降下訓練始め|OH-6D 降下訓練始め|OH-1

先ほどの観測ヘリOH-6Dとは別に、最新の純国産観測ヘリのOH-1も敵の状況を探っています。このOH-1には雪原などでも安定した着陸ができるスキー板が装着されています。

降下訓練始め|AH-64D 降下訓練始め|AH-64D機動飛行 降下訓練始め|AH-64D機動飛行

やはり偵察任務のヘリの後にはAH-64Dアパッチが追随しています。訓練展示という事もあって、アパッチの高い運動能力が分かる機動展示も行ってくれました。

降下開始

降下訓練始め|C-1 降下訓練始め|C-1から降下 降下訓練始め|降下

この演習の目的でもある第1空挺団による空挺降下が始まります。最初に行われた単独降下ではなく航空機からの一斉降下です。これは一気に前線へと部隊を投入するためなどに行われます。航空自衛隊のC-1輸送機からの降下が開始されました。

降下訓練始め|C-1から降下 降下訓練始め|C-1から降下 降下訓練始め|降下

C-1には貨物を搬入する後部の大型ハッチがありますが、降下には両側面にある横開きのドアより行います。次々と輸送機から隊員が跳び出し、降下傘が展開していきます。このC-1輸送機は埼玉県の航空自衛隊入間基地からやってきています。

降下訓練始め|降下 降下訓練始め|CH-47J 降下訓練始め|物資投下

降下隊員は作戦に必要な30kg以上の装備を装着していますが、それ以外にも弾薬などの支援物資を投下することがあります。CH-47Jから降下した隊員へ物資が投下されました。

降下訓練始め|隊員行動 降下訓練始め|隊員行動

地上に着いた隊員達は降下傘(パラシュート)を回収し、速やかに前進できる準備を整えます。小銃等での武装と偽装を施して前進を開始。

降下訓練始め|C-1 降下訓練始め|C-1から降下 降下訓練始め|C-1から降下

第1次展開部隊に続き、作戦地域ヘはまだまだ隊員が投入されます。C-1輸送機からの降下です。

降下訓練始め|C-1 降下訓練始め|C-1から降下 降下訓練始め|降下

C-1輸送機からの降下は合計8回行われました。一度に15名ほどの隊員が降下していますので、100名近い隊員が作戦地域に展開していることになります。

地上攻撃と制圧
降下訓練始め|ドアガン 降下訓練始め|アガン射撃

空挺降下展示の後は、地上と空により立体戦闘展示です。装甲車や戦車などの地上部隊と、輸送や戦闘ヘリからなる航空部隊混合の作戦展開です。作戦地域に高速で進入したUH-1Jには12.7mm重機関銃M2が搭載されています。前進して来る敵や地上展開する隊員の援護のため、M2によるドアガン射撃が実施されています。
UH-60JAだけではなく、UH-1Jにも重機関銃を搭載してガンシップ的な運用を行う場合があります。

降下訓練始め|高機動車搭載 降下訓練始め|120mm迫撃砲搭載 降下訓練始め|離脱

CH-47Jが地上展開する隊員へ車両と火砲を空輸して来ました。高機動車120mm迫撃砲RTをそれぞれ機体下部フックに吊り下げています。これらはドアガン射撃の支援による援護を受けています。

降下訓練始め|120mm迫撃砲 降下訓練始め|120mm迫撃砲準備 降下訓練始め|120mm迫撃砲準備

空輸された高機動車と120mm迫撃砲が切り離され、地上部隊による展開開始。これと遅れて高機動車に牽引された120mm迫撃砲も到着。前進する部隊へ支援のため射撃準備を行います。

降下訓練始め|地雷散布装置 降下訓練始め|地雷散布

攻撃前進だけではなく防御となるトラップも大切です。
敵車両の前進を想定してUH-1Jに搭載できる障害敷設装置"87式地雷散布装置"により対戦車地雷が散布されていきます。片側に計18個の対戦車地雷を収納したコンテナを2基搭載しています。

降下訓練始め|OH-6D 降下訓練始め|OH-1

現在の敵の上陸状況と展開部隊の様子をOH-6DOH-1により観測しています。敵部隊の戦闘車両が地上部隊へと接近している様です。

降下訓練始め|AH-1S 降下訓練始め|AH-1S 降下訓練始め|敵へ攻撃

その敵の戦闘車両を速やかに無力化するために対戦車ヘリAH-1Sコブラが2機進入して来ました。コブラは敵車両に対して対戦車誘導弾(ミサイル)TOWを射撃!一撃必殺で撃破され爆炎(スモーク)が上がっています。

降下訓練始め|アガン 降下訓練始め|アガン射撃

再びUH-1Jによる航空支援。ドアガン射撃で小銃小隊などを援護。12.7mm重機関銃M2はベトナム戦争の頃から使われている信頼性のある名銃です。

降下訓練始め|120mm迫撃砲砲撃 降下訓練始め|120mm砲撃

いつでも射撃ができる様に展開していた120mm迫撃砲部隊が一斉に射撃開始。前線の部隊を支援します。迫撃砲は偽装のためにバラキューダ(偽装網)を展開しています。

降下訓練始め|74式戦車 降下訓練始め|93式近距離地対空誘導弾 降下訓練始め|パトリオットシステム

敵部隊を圧倒。敵戦車等に対する74式戦車、航空機防御への93式近距離地対空誘導弾、そして航空自衛隊のパトリオットシステムPAC-3の投入です。

降下訓練始め|エクストラクションロープ 降下訓練始め|宙吊り隊員 降下訓練始め|状況終わり

最後にCH-47Jに隊員が吊られての登場!はじめて見る方は驚く姿ですが、これはエクストラクションロープというもので隊員を固定して一気に離脱します。以上で降下訓練展示での演習を終わります。 状 況 終 わ り ! !

降下訓練始め|ペトリオット 降下訓練始め|撤収作業

装備品展示のために訓練に参加した車両や火砲の撤収です。ペトリオットが訓練展示に参加は珍しいですが射撃体勢への展開まではしませんでした。

降下訓練始め|装備品展示 降下訓練始め|装備品展示

74式戦車と列んでペトリオットPAC-3の展示です。装備品展示ではPAC-3が射撃体勢で展示してくれました。参加したAH-64Dアパッチなどの航空機も着陸して展示されています。

降下訓練始め|NBC偵察車 降下訓練始め|気象観測

2012年に配備が始まった新しい装備品のNBC偵察車も展示されていました。その隣に航空気象観測装置が展示されています。
装備品展示以外にも食べ物やお土産の模擬店も多数あり充実していました。訓練展示は約50分あり内容も盛りだくさんでした。

陸上自衛隊 習志野演習場:アクセス

  • 【アクセス:電車】
  • ●東葉高速鉄道「船橋日大前駅」~ 徒歩約20分(約1.6km)
  • ●新京成電鉄「習志野駅」~ 徒歩約20分(約1.6km)
  • 【路線バス】
  • JR津田沼駅」北口バス乗り場①~③番
  •  津04系統 津田沼線 自衛隊前経由 北習志野駅行き乗車
    ~「習志野バス停」下車

習志野演習場から津田沼駅方向へ5分程歩くと、第1空挺団の所在する習志野駐屯地があります。

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